こんにちは。
熊本市在住の管理人です。
2017年になってしまいましたが、早速気になるのがイギリスのEU(欧州連合)離脱に関する問題です。
いよいよ今年、この問題が本格的に動き始めます。
1月3日にはアイバン・ロジャース駐EU大使が辞任したことがイギリス政府の広報担当者から発表されました。
EU(欧州連合)との外交を担う方だったんですけどね。
イギリスもEUも日本から遠く離れたところの話だから関係ないと思ってはいませんか?
そんなことはありません。
イギリスがEUから離脱することになれば日本にもさまざまな影響が出てくることが予想されるんです。
こういうわけで今回は、イギリスのEU離脱通告がいつになるのか?
そして、英最高裁の議会承認の審理と判決結果をリサーチしてまとめてみました。
日本への影響も気になりますよね。
そんなことも解説します。
イギリスのEU離脱
昨年2016年6月23日にEU離脱(ブレグジット)の国民投票がおこなわれました。
ブレグジット(Brexit)というのは、イギリスのEU離脱を指すために作られた造語です。
British(イギリス)とExit(離脱)というの2つの単語を組み合わせて作られています。
イギリスのEU離脱が决定した場合、政治や経済等に大きな影響が出てくることから広まっていった言葉なんです。
やはり私たちは特に日本への影響が気になります。
国民投票の結果なんですが、投票者の52%がEU離脱で48%がEU残留ということになりました。
この結果の衝撃が世界中に走ったのをニュースで聞いた方も多いと思います。
イギリスのキャメロン首相はEU残留を呼びかけていたのにそんな結果となってしまったんです。
そして、退陣を表明してしまいます。
この時に、金融市場とイギリスの通貨のポンドは大幅に下落してしまいました。
EUを完全に離脱する前の国民投票の段階でこんなことになるんですからね。
もし実際に離脱してしまえば、イギリスのみならず世界、もちろん日本にも大きな影響が出るのは明らかともいえるでしょう。
イギリス国内だけとかEU諸国間だけの問題ではないんです。
キャメロンの首相の辞任後にイギリス首相に就任したのがメイ首相です。
女性としてはサッチャー首相に続く2人目の首相です。
すでに説明したように、2017年はイギリスのEU離脱が本格的に動き始めます。
通告はいつになるのか?
気になるのはEU離脱の通告がいつになるのかということです。
メイ首相は3月末までに正式な離脱通告をおこなう考えです。
それが離脱交渉開始ということになります。
このように最大の重要な問題は、リスボン条約第50条のEUの離脱条項をイギリスがいつ行使するかなんです。
ここでメイ首相にとって最初に乗り越えなければいけないのが離脱通告に議会の承認が必要であるかどうかに関する訴訟の最高裁判決です。
これは離脱手続きを正式に開始するために議会の承認が必要になるかどうかの審理です。
この判決は1月中に下されます。
昨年2016年の11月にロンドン高等法院はEU基本条約(リスボン条約)の第50
条の発動には議会の承認が必要になると判断したんです。
この判断を政府は不服として英最高裁に上訴していました。
こういった流れがあったんです。
英最高裁の議会承認に関する審理
昨年2016年12月5日に英最高裁判所はEU(欧州連合)への離脱通告に議会の承認が必要であるかどうかの審理を4日間の日程で開始しました。
上にも書いたようにこの判決は1月に言い渡される予定になっています。
もし、議会の承認が離脱通告に必要であると英最高裁判所に判断されることになれば、イギリス政府は離脱通告に関する法案を議会に提出しなければいけなくなります。
メイ首相は3月の末までに正式な離脱通告をEUに対しておこなう考えなので、戦略や交渉日程にいろんな問題が起こってくる可能性があります。
法案を議会に提出したら離脱消極派が優勢なのでいろんな干渉を受けたりすることになりますからね。
交渉の方針やらなんやら・・・。
議会が離脱を阻止する動きに出ることも考えられます。
いずれにせよ、メイ首相にとっては非常に大変なことになるのは目に見えています。
ロンドン高等法院での一審の判決は議会の承認が必要であるとのものでしたが、原告は投資家たちなんです。
ロンドン高等法院は投資家たちの主張を認めたというわけです。
政府はこの判決に不服としてイギリスの最高裁判所に上訴しましたが、判決がどうなるかはイギリス国内だけでなく世界中が注目しています。
このように、非常に大きな影響が出てくることが考えられるので、英最高裁は裁判官11人が全員で審理することになりました。
これって異例の対応なんです。
80人以上の議員が国民投票の再実施に賛成しているようです。
判決の結果は?
判決の結果は1月中に出るようですが、まだ出ていません。
今日は2017年1月1日なので仕方ありません。(笑)
結果が出たら本記事に追記します。
日本への影響が気になる!
イギリスがEUから離脱した場合は世界的な話題になるのはいうまでもありません。
EUにとっては経済的にも政治的にも大きな影響が出ることは容易に想像がつきます。
また、EU諸国のみならず様々な影響が各国に出てくることが考えられます。
一番気になるのが日本への影響です。
イギリスのEU離脱が決定したら日本の企業や金融機関にいろんな影響が出ることがすでに指摘されています。
投資先としてのイギリス
イギリスはEUにおいて事業を進めていく拠点の国です。
日本にとっての投資先としてはアメリカ、中国、オランダの次にくる国です。
つまり、第4位の投資先になっているんです。
しかし、最近の財務省と日銀のデータを見ると、1年間の投資額においては大幅な伸びとなり投資額としてはアメリカに次ぐ2位となっているんです。
イギリスに拠点を置く日系企業は1000以上もあり、ビジネス関係で長期滞在や永住している方も多くいます。
約7万人です。
このように経済面でのイギリスと日本との関係にはかなり大きいものがあります。
EU離脱の影響が日本に出てくると考えるのが普通ではないでしょうか?
貿易にも影響!?
貿易面でも懸念されています。
現在、EU内での貿易には関税がかかっていません。
ところが、EUからイギリスが離脱した場合にはEU域内の国に輸出する場合に関税がかかってくる可能性があります。
こういったことから、イギリスで製品を生産していたりイギリスを経由してEUの国々に輸出をおこなっている企業はその影響を受けるのではないかと考えられています。
例えば、トヨタ、日産、ホンダはイギリス国内の全生産台数の半分近くの自動車を生産したりしています。
しかも、その多くがEUの国々に輸出されているんです。
そのため、日本企業への影響が懸念されています。
ビジネス環境の変化について
ビジネス環境が変化するのではないかということもい懸念材料の1つです。
EUからイギリスが離脱することで、これまではEU内の共通のルールに基づいた制度や規制にしたがっていましたが、それが変わってしまうかもしれないからです。
例えば、今まではEU内での行き来ではビザなしでOKだったのが手続きが増えてしまったりとかです。
このような変化が起こる心配もあるんです。
金融機関はどうなる?
金融機関への影響も考えられています。
日本の大手の金融機関はイギリスのロンドンにある「シティ」に拠点をおいてヨーロッパの広い地域で事業を展開しています。
「シティ」は世界有数の国際金融センターです。
このような状況から、もし離脱が決まれば事業の戦略において見直しが迫られる可能性も出てくるといえるでしょう。
離脱決定ですぐに金融機関が大きな影響を受けるとは考えていないと全国銀行協会の会長を務める三井住友銀行の國部毅頭取は言っています。
しかし、それでも状況をしっかり見極め、情報収集をおこない、将来的なことを検討していきたいとも述べています。
主に経済面での日本への影響について説明してきましたが、実際には政治的な面でも影響がでてくるだろうし、ここで述べたことはほんの一部とも言えるかもしれません。
離脱が正式に決まるまではいろんな影響の予測は出来ますが、実際にどうなるのかはわからないというのが本当のところだと思います。
そういったことで、状況を注視していくことがまずは重要だと思います。
離脱が決まった場合でも、正式に離脱するのは2年後となっています。
EU加盟国間の同意によってはそれが延長される可能性もあります。
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