こんにちは。
カルデラ噴火がインターネット上で話題になってますね。
破局噴火ともいいます。
「破局」という表現が結構怖いんですが、地球上で生きている以上無視するわけにはいきません。
実際、過去には起こったことなんですから。
カルデラ噴火といってもその発生規模によっては日本が終わってしまうなんてことも言われているくらいです。
それくらいのカタストロフィーになる可能性が指摘されているんです。
昨年2016年に管理人が実際に体験した熊本地震のような大地震も気になるところですが、熊本には阿蘇カルデラもあるのでそっちの心配も出てきました。
最近発表された見解が管理人には衝撃的でした。
巽好幸(たつみよしゆき)教授が発表された内容がすごかったんです。
この先生はカルデラ噴火研究の第一人者で、神戸大学海洋底探査センターに所属されています。
地球科学者でご専門はマグマ学です。
巽好幸さんはYahoo!個人ニュースで連載記事を書かれているんですが、「最悪の場合、日本喪失を招く巨大カルデラ噴火」というタイトルの記事が最近掲載されました。
カルデラ噴火と日本喪失なんてかなりショッキングなキーワードだと思います。
そんなわけで今回は、カルデラ噴火(破局噴火)のとは何なのか?
そして、前兆などあるのか?
九州熊本に住んでいる管理人には近くに姶良や阿蘇山があるからすごく気になっているというか心配の1つになっています。
昨年、東洋経済ONLINEに阿蘇山のカルデラ噴火が日本を壊滅させるという巽好幸さんの記事が掲載されていました。
過去だけでなく最近の例も紹介します。
何も起こらなければそれが1番いいですがね。
しかし、巽好幸さんのような一流の地球科学者が巨大カルデラ噴火は明日起こってもおかしくはないとまで言ってるくらいです。
ですから、日本で生活している以上はどういうことなのかは知っておく必要があると思います。
カルデラ噴火とは?
カルデラ噴火の前に「カルデラ」とは何?って人も多いと思います。
カルデラ(caldera)というのは、火山活動で出来た凹地のことです。
今回は世界の例は紹介せずに日本限定で説明します。
日本では北海道から九州までカルデラが存在します。
管理人の住む九州にはカルデラと言われるものが13もあります。
例えば、阿蘇カルデラ、姶良(あいら)カルデラ、鬼界(きかい)カルデラなどです。
カルデラ噴火(破局噴火)とは何なのかというと、地下のマグマが地上に一気に噴出するものです。
ですから、壊滅的な噴火形式と言えます。
このカルデラ噴火は専門的にはウルトラプリニー式噴火(Ultra Plinian)と呼ばれます。
とにかくこの噴火は強烈なんです。
マグマの破片と火山ガスから構成される噴煙が地上から高さ数10kmにまで延び巨大な噴煙柱が出来ます。
その後、地下に溜まっていた大量のマグマが一気に噴出することから地下に空洞が出来ます。
そして、その溜まっていた場所の天井が崩壊して陥没しカルデラが形成されるんです。
それから、マグマ溜まりからのびている多数の割れ目が地表に達します。
ここで噴火が最高潮に達します。
こうして巨大な火砕流が発生するんです。
想像するだけでゾッとしますね。
巨大カルデラ噴火を起こした火山は日本には7つあります。
しかも、そのうちの4つが九州に集中しているんです。
管理人が気になるわけがわかるでしょ?
前兆が気になる!
カルデラ噴火(破局噴火)が起こる場合に前兆があるのか?
また、それらをとらえることが出来るのかがかなり気になるところです。
2015年に東京大学地震研究所の中田節也教授は、カルデラ噴火の前兆を確実に捉えることは出来ないと言っています。
地震の予知もそうなんですが、今現在の時点でカルデラ噴火の予知もかなり困難な状況というのが事実のようです。
2010年の京都大学防災研究所の年報に「大規模カルデラ噴火の前兆現象 鬼界カルデラと姶良カルデラ」というものがあります。
この中ではカルデラ噴火に先行する地質現象の調査研究結果がまとめられています。
鬼界カルデラでは前兆現象と推定されるものがいくつかあったことが記載されています。
一方、姶良カルデラでははっきりとした前兆現象は見られなかったと結論付けられています。
こういったことから考えて前兆現象に関してはよくわかっていないのが現状みたいです。
姶良や阿蘇山の最近の例
最近の例にすごく興味がある人は多いと思います。
日本での最も新しいカルデラ噴火(破局噴火)は約7300年前に起こっています。
場所は鹿児島県南方沖の鬼界カルデラです。
そこにある海底火山で起こりました。
この時には南九州の縄文文化が壊滅してしまいました。
姶良カルデラの大噴火は約2万9000年前に起こっています。
この噴火で九州や中国地方の旧石器時代人は絶滅したと考えられています。
姶良カルデラの噴火による火山灰は東北地方にまで飛んでいっています。
余談になりますが、姶良カルデラの発見者は地質学者の松本唯一さんです。
1943(昭和18)年に発見されました。
阿蘇カルデラは4つの火砕流の噴出で形成されました。
1番大規模だったのが「Aso-4」で、大量の火砕流が発生しました。
この火砕流は山口県の秋吉台にまで達しています。
阿蘇と山口の間には海があるのにもかかわらずです。
阿蘇山で巨大カルデラ噴火起こった場合、東京でも20cmの火山灰が積もり、北海道東部と沖縄を除く全国のライフラインは完全に機能しなくなると巽好幸さんは言っています。
1番気になるのは阿蘇山ではなくて富士山だという人も多いと思います。
富士山は活火山ですが、約300年間活動していません。
しかし、さきほど説明したように現役の活火山ですからいつ活動を開始してもおかしくはないんです。
可能性や対策について
カルデラ噴火の可能性に関してはやはり不明な点が多いようです。
火山の専門家などが破局噴火への警戒を呼びかけたりはしています。
例えば、阿蘇山の場合なんですが、巨大カルデラ噴火の可能性も考えられています。
しかし、現実には現時点で巨大なマグマ溜まりが阿蘇山の地下にあるのかどうかさえわかっていないんです。
火山の噴火で一般的にはマグマ溜まりの形状、規模、位置などすら正確にはわかっていないんです。
こんな状況が現実なんです。
前兆現象などもわかってないし、対策のしようがないというのが現状みたいです。
明日起きる可能性もあるってことです。
対策に関して懸念されていることの1つが原発です。
鹿児島県の川内原発再稼働差し止め訴訟が2014年にありました。
その訴訟の争点の1つが過去に南九州で発生したカルデラ噴火と同規模のものが起きた場合の原発への影響でした。
多くの火山学者は川内原発から近い位置にある加久藤(かくとう)カルデラ、小林カルデラ、姶良(あいら)カルデラ、阿多(あた)カルデラが再噴火する可能性を指摘しています。
これらのカルデラは過去に大噴火を起こしてるんです。
こういったことから政府は2014年からカルデラ噴火の調査を開始しました。
この2014年には民主党(現在の民進党)の辻元清美議員が衆議院で「カルデラ噴火の兆候把握等に関する質問主意書」と題した質問をおこなっています。
この質問の中ではカルデラ噴火の可能性を多くの火山学者が警告しているのにもかかわらず原子力規制委員会が火山学者を無視して巨大噴火の前兆を把握出来るとしていることをを問題視しています。
過去に起きたカルデラ噴火の前兆、つまりどんな兆候があったかはわかっておらず実際には噴火予知など不可能というのが多くの火山学者の一致した意見となっています。
今現在のところはこんな状況なんですが、カルデラ噴火自体だけでなく、さらに原発による災害などの拡大も心配されています。
そういうわけで、このような対策も十分に検討すべきであると思われます。
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